体操服学入門:体操服はなぜ必要なのか


前回記事では、「体操服」の存在意義について、ちょこっとお話ししました。

今回は、もう少し具体的に、「なぜ体操服は必要なのか?」という問いに答えていきたいと思います。

体操服を必要とするのは、体育の授業だけじゃない??

もともと体操服は体育の授業の際に着用するための衣類として制定されたものです。
学ラン・セーラー服・ブレザーといった制服では柔軟に体を伸ばすことができないほか衛生面でも問題が生じます。そこで、伸縮性や吸汗性に優れた専用の衣料として体操服や学校指定ジャージが生まれたわけです。

ただし、体操服の着用が求められるのは体育の授業時だけではありません。昔から、運動会・体育祭はもちろんのこと、部活動、野外学習等の屋外活動、清掃時間、技術科の工作科目などのシーンでも体操服を着る学校が多いはず。

ジャージを着て野外学習に参加した方も多いのでは?(イラストAC)

最大の理由ですが、動きやすいからでしょう。加えて、これはあくまで私の憶測でしかないのですが、制服が”穢れる”ことを防ぐ目的も兼ねているのではと考えています。

広がる体操服の着用シーン

2010年代に入ってから、全国的に体操服の着用シーンは拡大してきています。通年にわたり体操服登校を採用する学校も、公立小中学校を中心に増えてきています。これにはさまざまな要因が絡んでいるのでひとつひとつ見ていきます。

気候変動・熱中症対策

地球温暖化の進行などで毎年酷暑になっているほか、天気の変化が激しくなり、寒暖差が大きい日も少なくありません。

とくに夏は制服だと着脱の調整が難しく臨機応変に対応できないことから、本来は夏服制服を着用する夏シーズンに体操服登校等を容認している学校が増えました。

コロナ対策

新型コロナウイルスの流行以降、コロナ対策として体操服登校を導入する学校が出てきました。これは、ウイルス拡散を可能な限り防止するためのもので、洗いにくい制服ではなく、洗濯サイクルを短縮でき衛生的な体操服・ジャージを制服の代替として活用する暫定措置です。

コロナの5類移行や感染対策の撤廃もあり制服登校に戻す学校もありますが、これを機に正式に体操服登校へと切り替えた学校も多いようです。

更衣室や更衣時間の確保の問題

たとえば中学校の場合、部活動が朝一番にもあり、放課後にもあるため、日課の途中で体育の授業があると、一日に何度も着替える必要が出てきます。さらに更衣室をなかなか確保できない学校も多く、短い休憩時間等で着替えるとなると次の授業に影響が出たりするなどの問題も出てきます。

学校内でできるだけ着替える回数を減らす観点で体操服登校を取り入れたり、登下校時のみ制服で校内は一律体操服を着用する学校は全国的に見ても数多くあるようです。

LGBTQ対策

最近ではLGBTQの観点から制服着用を強要しないところもあるかと思います。制服は男女の区別があり、トランスジェンダーの生徒にとっては苦痛を伴います。

体操服の場合は男女共用(ユニセックス)になっていることが一般的なので、この対策にも有効です。従来の学生服からブレザー制服に切り替える学校も増えていますが、わが町では上記ほかの理由も加味して引き続き体操服もOKの学校が大半です。

制服よりも重要なツール??

ということで、体操服は今の時代では幅広く活用されているんです。制服よりも重要なポジションにいるような気がしてなりません。

制服よりも使われてるかも?(イラストAC)

だからこそ、このプロジェクトを通じて、体操服の世界とやらを深めて行きたいな、と思うのです。次回以降も引き続き、体操服のイロハをお伝えしていきます。<M>

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参加してみませんか?

体操服イラスト全国図鑑プロジェクトは、皆様とともに作っていく共創プロジェクトです。
プロジェクトを進めていくには、皆様からのサポートが欠かせません。資料提供や資金提供にてご支援いただけます。プロジェクトへのご参加お待ちしております。

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